[Amazon Connect] リアルタイムメトリックス レポートについて
1 はじめに
AIソリューション部の平内です。
Amazon Connect(以下、Connect)では、「保留中のお客様」、「キューに入っているお客様」、「エージェントの対応時間」などの活動をリアルタイム(又は、ほぼリアルタイム)でメトリックスとして表示できます。
リアルタイムなレポートは 15秒ごと更新されますが、その内容によって更新の頻度に少し差があります。
- アクティブ や アベイラビリティー などのメトリックスは発生の都度更新(わずかなシステム遅延がある)されます
- 不在着信 や 利用率 などは、5分ごとに更新されます
- お問い合わせは、お問い合わせが終了した後、約1分後に更新されます
レポートは、設定内容やタイプの違ったものが複数表示可能ですが、それぞれの独立していて他に影響はありません。
なお、レポートは、その表示条件を保存したり、共有することもできます。
レポートの資源となっている殆どのメトリックスは、CTR内のデータとして存在し、インスタンス内で24か月間使用可能になっています。もし、この期間を超えて保存が必要な場合などは、Amazon Kinesis にストリーミングして、独自に管理することもできます。
2 リアルタイムメトリックスレポート
リアルタイムメトリックスレポートは、メトリックス及び品質 > リアルタイムレポートから表示します。
リアルタイムメトリックスレポートのタイプは、「キュー」「エージェント」「ルーティングプロファイル」の3種類から選択します。なお、「キュー」と「ルーティングプロファイル」は、グルーピングが違うだけで、表示できるメトリックスの種類は同じです。
下記は、レポートのタイプとしてキューを選択した場合の例です。
3 レポートの設定
レポート上部のアイコンからレポートの時間範囲や表示するメトリックスを選択できます。
(1) 時間範囲
レポートの対象となる時間の範囲は、「深夜から現在」若しくは、時間で指定します。
(2) フィルター
表示対象は、フィルターで設定できます。
最初にプライマリーフィルターを選択し、表示したいリソースをチェックすることで設定できます。
プライマリーフィルターは、レポートのタイプが、キュー、及びルーティングプロファイルの時、「キュー」若しくは、「ルーティングプロファイル」となります。
レポートのタイプが、エージェントの時は、「キュー」、「ルーティングプロファイル」若しくは、「エージェント階層」となります。
(3) メトリックス
指定が可能なメトリックスは、キュー及び、ルーティングプロファイルのレポートと、エージェントのレポートで異なります。
タイプ | 表示可能なメトリックス |
---|---|
キュー及び、ルーティングプロファイル | エージェント、パフォーマンス、その他 |
エージェント | エージェント、電話、パフォーマンス |
※上表の「表示可能なメトリックス」は、同じ名前でも内容が異なります。
キューおよびルーティングプロファイルレポートで利用可能なメトリックス
- エージェントメトリックス
メトリックス | 内容 |
---|---|
オンライン | オフライン以外のエージェントの数 |
通話中 | 通話中(問い合わせに対応中)のエージェントの数 |
NPT | 使用不可など非生産的ステータスにあるエージェントの数 |
ACW | 通話作業後のステータスにあるエージェントの数 |
エラー | エラー状態のエージェント数 |
利用可能 | Availableのエージェント数 |
対応 | Available、通話中、又は、通話作業後のエージェント数 |
- パフォーマンスメトリックス
メトリックス | 内容 |
---|---|
キュー内 | 待機中の問い合わせの数 |
最も古い | 最も長く待機している問い合わせの時間 |
予定 | コールバックがスケジュールされている顧客の数 |
キュー | 期間中に追加された問い合わせの数 |
対応済み | エージェントが応答した問い合わせの数 |
中止 | 期間中にキューから放棄された問い合わせの数 |
AHT | 平均処理時間 (AHT) は、エージェントの接続(コールに出てから終了まで)の平均時間 |
SL 60 | キュー待機時間が60秒未満の問い合わせの数(サービスレベル) |
- その他
デフォルトでは、レポートに含まれませんが、追加が可能なメトリックス
メトリックス | 内容 |
---|---|
SL 15 | 待機時間が15秒未満の問い合わせの数 |
SL 20 | 待機時間が20秒未満の問い合わせの数 |
SL 25 | 待機時間が25秒未満の問い合わせの数 |
SL 30 | 待機時間が30秒未満の問い合わせの数 |
SL 45 | 待機時間が45秒未満の問い合わせの数 |
SL 90 | 待機時間が90秒未満の問い合わせの数 |
SL 120 | 待機時間が120秒未満の問い合わせの数 |
SL 180 | 待機時間が180秒未満の問い合わせの数 |
SL 240 | 待機時間が240秒未満の問い合わせの数 |
SL 300 | 待機時間が300秒未満の問い合わせの数 |
SL 600 | 待機時間が600秒未満の問い合わせの数 |
エージェントが切断 | エージェント側で切断した、問い合わせ数 |
着信処理 | エージェント対応し、次のいずれかで再開した着信問い合わせ数 (受信通話/エージェントへの転送/キューへの転送/キュー間転送 |
対応した問い合わせ | CCPを使用して発信した問い合わせ数 |
対応した問い合わせのコールバック | エージェントが対応し、コールバックがキューに保存された問い合わせ数 |
対応したAPIの問い合わせ | APIで開始し、エージェントが対応した問い合わせ数 (例:StartOutboundVoiceContact) |
保留の中止 | お客様保留中に切断された問い合わせの数 |
相談 | エージェントが対応し、別のエージェント又はマネージャーに相談した問い合わせ数 |
キューに入っている最大時間 | 問い合わせが待機した最大時間 |
不在着信 | エージェントが対応しなかった問い合わせ数 |
平均中止時間 | 中止された問い合わせが中止されるまでの平均時間 (秒単位) |
平均キュー応答時間 | エージェントが応答するまでに待機した平均時間 (秒単位) |
平均保留時間 | キュー内の問い合わせが保留されていた平均時間 (秒単位) |
平均対話時間 | エージェントが通話した平均時間 (秒単位) |
平均対話および保留時間 | 平均待機時間と平均対話時間の和 |
キューへの転送 | キューに入った問い合わせ数 |
キューからの転送 | キューから転送された問い合わせ数 |
Transferred in from queue (キューから転送) | 別のキュー転送された問い合わせ数 |
Transferred out from queue (キューからの転送) | 別のキューに転送された問い合わせ数 |
エージェントレポートで利用可能なメトリックス
- エージェント
メトリックス | 内容 |
---|---|
エージェント名 | 姓及び、名 |
エージェントの姓 | 姓 |
エージェントの名 | 名 |
ステータス | エージェントの現在のステータス |
期間 | 現在のステータスにある時間 |
エージェント階層 | 割り当てられている階層 |
ルーティングプロファイル | 割り当てられているルーティングプロファイル |
- 電話
メトリックス | 内容 |
---|---|
アクティブ | コールへの対応が可能な場合1(それ以外は0) |
アベイラビリティー | ステータスがAvailableな場合は1(それ以外は0) |
問い合わせのステータス | エージェントが対応した最新の状態 |
キュー | エージェントが対応した最新のキュー |
- パフォーマンス
メトリックス | 内容 |
---|---|
平均 ACW | 通話作業後で経過した平均時間 |
不在着信 | 通話できなかったコール数 |
着信処理 | 対応した着信問い合わせ数 |
発信処理 | 対応した発信問い合わせ数 |
AHT | 対応で経過した平均時間 |
利用率 | エージェントが利用された時間の割合 |
4 保存
リアルタイムメトリックスレポートでも、設定内容を保存したり、表示したデータをCSV出力したり、レポート共有する事が可能ですが、こちらは、ログイン/ログアウトレポートと殆ど同じなので、そちらをご参照下さい。
5 最後に
今回は、Connectで作成が可能なリアルタイムメトリックスレポートについてまとめて見ました。
各キューやエージェントが、現在どういう状態なのかを的確に把握するには、このリアルタイムレポートが極めて効果的です。必要な情報(メトリックス)を洗い出して、効果的なレポートが作成できるよにしたいものです。
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